えええっせい

えっせいです

有名人似:ザッカーバーグになれるなら

 友人に誰かに似ていると言われたことはあるだろうか。多分、誰しもあると思う。「山田ちゃんって、あの〇〇に似ているよね! あのAKBの!」「あーっ、確かに! 似てる似てる! 言われてみれば!」「ホントだーっ! 行けるんじゃない、AKB?」

 まず、〇〇って誰だよ。そして、言われてみれば似てる、程度では似てるのうちに入らないのではないか。最後に、AKBに入れるって褒めてるのか? という黒いツッコミ三連星だ。なお、別に私はAKBの女に似ていると言われたことはない。これはたとえ話である。本当は、一度AV女優のナントカに似ていると言われたことがあるが、当時はどうとも思わなかった。が、思い返せば大変に失礼である。なぜって、当時のAVとは今とは比較にならないほど容姿がこなれていなかったのである。当時のAVしか見ていない諸兄、是非ともFANZA! (旧DMM)で確認してみて欲しい。隔世の感とはまさにこのこと。今ってAV女優じゃなくてグラビア女優って言うんでしたっけ? ま、職業に貴賤は無いので呼び方はどうでもいいと思っております、ハイ。

 でも、その後月日を経て、一度だけ「あっ、〇〇さんですよね!」と声を掛けられたことがある。昼飯を食べているとき、店員にだ。勿論違うので、「いや、全然違いますよ。誰ですか」。あなた、と続けなかったのは私の良心……ではなく、友人の紹介のお店だったから。店主は気のいいおばちゃんだった。

 「いやいや、絶対〇〇さんでしょ」「いやあ、違いますよ。そんなに似ていますか?」「うん、似てる似てる! ほら!」そう言ってスマートフォンを見せてくる。親しみやすいタイプのおばちゃんだった。それにしても、「ですよね」っておかしいだろう。なぜって断定されても……あ、そうか。本人に近すぎると、「ですよね」になるのか。なぜって、本人に「似てますよね」とは言えないから。要すれば、その「似てる」のラインを越えてしまっていたわけだ。

 おばちゃんのスマホを見る。確かに、似ている。冗談ではなく、こういう顔をしている私はいるな、と思った。写真を何枚か見ていると、当然「ああ、これは私ではないな」と思う写真もある(当然だ。だって私ではないのだから)が、やはり似ている。

 「知らないの、駄目だよ~。こんなに似ているんだから」「ははあ、そうですか」「そうそう、こんなに似ているんだから」似ているから知らなければいけないのなら、サバンナ高橋はマークザッカーバーグに詳しくならければならないが、そんなこともなさそうだ。

 しかし私は勉強した。ザッカーバーグになれるなら、その方がいい。芸能人に似ているなら、その方がいい。そのお方の出ている番組をチェックしたり、コマーシャルを見たり、なんなら髪型を寄せたりした。その甲斐あってか、初対面の人にも「誰かに似ているよね」「ああ、〇〇ですよね」「そう! やっぱりよく言われる?」「いやあ、そうなんですよ、自分ではそう思わないんですけれど……」勿論ウソである。寄せてるくらいだ。

 ということで、寄せたら話の種にはなった。逆に言うと、その程度にしかならなかった。そっくりさんご紹介、とかにもお呼びはかからなかった。残念とも思わない。ただただ、そんなもんかなと思うだけである。

 もっとも、最近は年を経てきたせいか、お互いの顔が少しずつ変わってきている。自分でも以前ほど似ているとは思わなくなってきた。

 多分、向こうもそう思っていることと思う(違)