えええっせい

えっせいです

BGM:ふわふわ時間なブタ箱

 デュラン効果という言葉がある。多くの方はご存知のはずだが、意味は「頭の中で延々と同じ音楽が流れている」ということ。おそらく、デュランデュランから来ているはずだ……とここまで書いて発覚したのだが、これは「ディラン」効果らしい。そりゃそうだよ。流石にボブ・ディランでしょう。何がデュランデュランだ。まえだまえだかよ。ちなみに、意味は上記で間違いないです。

 で、誰しもが抱えるこのディラン効果的ミュージック。私の場合はJ-POPかアニソンが多い。この前はムーンライト伝説が仕事中に頭にこびり付いて取れなかった。あの、上がっているのだがそうでないのかよく分からないサビは、仕事中のテンションを適度に保つのにはうってつけだったので、よしとした。これがロッキーのテーマだったりすると大変だ。ノリノリ、というわけにもいかない。嫌でしょ、いきなり仕事中にガッツポーズ決める社員がいたら。

 本題。デュラン効果以外にも自分の中のBGMというのはある。例えば、ある場所に行ったらその音楽が頭の中で流れ出す、というものだ。記憶とは案外シンプルに絡み合っているもので、例えば野球場に行くと無意識にブラバンの演奏を思い浮かべ、頭の中でそれが構成される、といった具合だ。

 そしてそれが逆に働くパターンを最近見つけた、というより気付いてしまった。音楽起因のパターンである。つまりは、「ある音楽を聴いていると、それをよく聴いていた場所が自然と想起される」ということである。そして私の場合はこれが随分とネガティブに働いている。

 けいおん! というアニメ漫画をご存知のことと思う。女子高生が日常をごゆるりと生きて、その合間合間にガールズ・バンド的成分が挟まっているといった具合だ。今の美少女音楽ブームの先駆けと言っても構わないだろう。なぜって、その前は「ようこそようこ」か「マクロス7」だぜ? バルキリーの乗るワケにもいくまい。

 けいおん! その音楽を聴くたびに、悲しいかな私の場合は大学予備校を思い出すシステムになっている。特に「ふわふわ時間」が酷い。曲に罪は全くないが、あれを聴くとどんな場面でも、某予備校のブタ箱のような教室を思い出す。最低の合格率を誇るクラスに勿論所属していたので、一つの教室に百人以上の人員を詰め込んでいた。だから教室に早く行かなければ、マトモに授業が受けられる席には座れない。そんな鬼システムを採用していた。ちなみに、他の――つまりは、合格可能性が高いクラス――は、勿論人権が与えられていた。まさに弱肉強食、働かざる者食うべからず。

 そんなブタ箱、前の方の席の確保が必要な理由は二つ。そもそも授業が見えないということと、後ろの方の席の人間に全くやる気が見られないこと。後者の例として、例えば後ろの方の席には、クレーンゲームで獲得したであろう山のように大きなプーさんのぬいぐるみを、これ見よがしに予備校に持ってくる女がいた。その女はどうやら医学部志望らしかった。髪の毛の色は明るいが、それほど容姿に優れているとも言えなかった。そんな女を取り囲むように、これも三流私大風・量産型髪の毛明るい系男子がいた。金づるとその子分、という言葉がしっくりくる。どちらかと言うと、大学に入ってオタサーの姫を見たときよりも、嫌な気持ちを味わったことを覚えている。

 そんなおおよそ勉強に向いていない施設で、クラス昇格まで半年を私はそこで過ごしたわけだ。そのクラスの名は「東大・医学部特進理系」。もちろん、3クラスある中の最下位クラスである。きっつー。まさにブタ箱。ブタ箱との違いは、国民の血税を使っていないことだけ。それだけに、二倍キツい。金ヅルと同じ空間で過ごして、嫌な気持ちにならない理由を教えて欲しい。

 ……ということを放課後ティータイムふわふわ時間を聴くと私は思い出さざるを得ない。最近はラジオなどで、不意に放課後ティータイムの楽曲を聴くこともほぼ無くなった。それ自体はファンとしては悲しく、しかし個人としてはほっとしたような。