えええっせい

えっせいです

忘年会のルール:靴をしゃぶりつくせ

 頭を何度下げたかで勝負が決まる……というのが競技として捉えたときの、忘年会のルールだ。部長級に平身低頭。

「今年も随分とお世話になりました。特にあのプロジェクトでは公私ともにご鞭撻頂き、個人としても大変成長したと実感しております。ところで、そのプロジェクトですがその後……」

 上記は少し鯱張った言い方にはなるが、概ねこういうことを一方的に宣言する会が忘年会だ。そしてその間私は頭を激しく上下に揺する。ロック・バンドのライブというよりは、赤べこに近いイメージでよろしい。

 ちなみに、上の鍵括弧内の発言には次の要素が含まれている。いずれも忘年会の挨拶には欠かせない。
・今年あざす:まずはこれから。感謝の意を示そう
・具体の話:曖昧模糊を避け、上司に自分が何者かを再度示す。幾星霜もいる部下ひとりひとりを、忘年会で見かけただけで思い出せるほど上司はヒマじゃない
・ご指導ご鞭撻頂きました:私たち、上手くやっていたよね……ということを思い出させる。あなたは良い上司だったと持ち上げる。この場合、当該プロジェクトからの期間が随分と空いていたら、事実とは関係なく思い出を美化させた方がいい。なぜなら……
・売り込み:これが本音である。自分を売り込むためならば泥でも啜るし靴でも舐める。次のプロジェクトにも参加させてもらおう

 要すれば、忘年会は自分の売り込みの場でしかない……というあまりにも自明なことを改めて書かなくてはならないというのは、若手諸君の社会人・リテラシーが衰退していったことの証左に他ならない。そんなことも言わなきゃ分かんねえのかよ!

 大体な、忘年会のような開けた場ですら挨拶に来れない奴に、仕事を任せられるかっつーの。最低限のコミュニケーションだよ、ホント。そんなことも出来ない奴の客先での態度なんて、想像するにおぞましいね。俺の部下には、「忘年会を憩いの場」なんて捉えているヤツは要らない。薬莢零れる戦場の最前線だと思ってくれたほうがいい。呑気に飯を食っているヤツらは、家でAmazon待ってるのと変わりはしない。もっとも、自分に自信のあるやつ、誰の助けも要らず独立独歩でのし上がっていける自信のあるやつは、そうすればいいさ。ただ、少しでもその自身が無いのなら、俺は靴を舐めることをお勧めする。君は、どっちだ?

 

 ……というのが私のイメージするクソみたいな上司。知らん。勝手にしてくれ。幸い弊社は日系風土に近いとはいえ外資系。上司含めて全社的な忘年会参加率はいいとこ5割。忘年会なんて、クソくらえだ。

 え、私はどうしたって? そりゃあ、独立独歩を歩むから忘年会の出席なんて……と言いたいところだが、靴を舐められて嬉しい人種も一定数いる。そして、私はそんなに能力がある人材とは決して言えない。そこから出る答えは一つ。もちろん靴を……